仕事の道具がまさかの反乱!? ~ブルブル、ガタガタ、そして鳴り止まぬクラクション

タクシー体験談


タクシー大発狂!? クラクション鳴りっぱなし地獄とガタガタ震える日々

「車には魂が宿る」なんて話を聞いたことがありますが、私の相棒であるタクシーにも、どうやら“意志”が芽生えてしまったようです。ただしその性格は、ツンデレならぬ**「ツンツン暴走系」1月頃から様子がおかしくなり、ついにはクラクションが鳴りっぱなしになるという大・惨・事へと発展してしまいました。

これは、そんな“感情豊かすぎる”車との格闘の記録です。


アクセル離すと…震える車、震える心

まず異変に気づいたのは年明け早々。寒い朝のせいか、車がやけにガタつく。でも、エンジンかけたばかりだし、まあ冷えてるのかな? なんて軽く見ていたのですが、その後も症状は続きます。

加速して、いい感じにスピードに乗って、アクセルを少し緩めると…

「ブルブルッ…ガタガタガタッッ!!」

あれ? おかしいぞ? エンジンの鼓動じゃなくて、車全体が全力でシェイクしてる感じ。例えるなら、洗濯機の脱水モード中に靴をぶち込んだ時のアレ。運転席がまるでマッサージチェアと化している。

しかも揺れるタイミングがクセ強で、「このスピードは嫌!」「ここ曲がるの?やだやだ!」とでも言っているよう。ついにはお客様にも「これ、なんか揺れてません?」と突っ込まれる始末。


ベテラン整備士もお手上げ

こりゃマズイ、と向かったのはいつもお世話になっている町の整備工場。ベテラン整備士さんが、顔をしかめながら車の下に潜り、何度も点検。

結果――

「ミッション、異常なし。ドライブシャフトも問題ないっすね」

……うそでしょ?

私「でも、走るとブルブルするんです」
整備士「それは…ブルブルしてるんでしょうね」

うーん、話が通じてるようで通じてない。

「うーん、これはディーラーで見てもらったほうが早いかもです」とのことで、プロの“病院送り”が決定。


ディーラー予約は一か月待ち!

しかし、電話して分かった驚愕の事実。「ご予約は一か月先まで埋まってます」。えぇぇ…!

一か月、ガタガタ車と付き合えと? しかも寒波襲来中。運転するたびにブルブル、私の膝も一緒に震えてる。

でも、まだこの時は知らなかったのです。ガタガタなんて、序章にすぎなかったということを…。


突如発動、クラクション無限ループ事件!

それはある日の夕方。青葉通り一番町交差点、信号待ちの最中でした。

「ブオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

え? 誰!? と思ったら、うちの車が全力でクラクションを鳴らしているではありませんか!

しかも止まらない!ひと鳴らしとかじゃない!ずっと!!鳴ってる!!

周囲は騒然。歩行者がビクッと飛びのき、隣のドライバーは露骨に睨んでくるし、後ろのバスの運転手は無線で何か話し出してるし。

完全に「騒音トラブル・現行犯」状態。私、犯罪者みたいな顔で車内に座ってる。

JAFに救援を頼むも、到着まで40分。その間、無限クラクション地獄が続くのです…。


警官登場&個人タクシー界のヒーロー

あまりの爆音に、近くの交番から警察官が登場。

警官「事故ですか?」
私「いえ…車が急にクラクション鳴りっぱなしで…」
警官「えっ、マジで?(笑)」

そう、笑ってそのまま帰っていきました。

まさかの放置プレイ。

すると救世主登場!通りがかった同業の個人タクシー運転手さんが「ちょっと見てやろうか」と声をかけてくれ、ヒューズボックスを開けたり、リレーをいじったり、狭いボンネットに顔を突っ込んで格闘してくれました。

この人、タクシー業界のマカロニ・ウエスタンか?

しかし、どんなに頑張ってもクラクションは「鳴・り・止・ま・な・い!!」


JAF到着。ついに静寂が戻る

35分後、JAFがやってきて、配線をバチンッとカット。

「はい、これでもう鳴りません」

そう言った彼の背中が、神々しく見えた。

ああ…静かって、こんなに素晴らしいんですね…。

しかし問題は終わっていません。この騒ぎ、バスの乗客や周囲の通行人、少なくとも数十人に“晒されて”ました。どこかのSNSで「うるさいタクシー、通報案件」なんて書かれてないことを祈るしかありません。


8000円のリレー、3時間で再び発狂

翌日、整備工場で「これはリレーですね」と新品交換。8,000円なり。これで解決!…と喜んだのも束の間。

なんと3時間後に再発。え、早くない?仕事早すぎない?

しかも今度は静かなお寺の近くで発動。誰もいないのが唯一の救いでしたが、私はついにJAFの真似をして、自分で配線を外しました。人生初のDIYがこれになるとは…。


ついにディーラーで下された“最終診断”

そして待ちに待ったディーラーの診断日。

プロの整備士さんたちがじっくり見てくれた結果…

  • ガタガタの原因 → EGRバルブの不調(約5万円
  • クラクションの暴走 → 電気系統のトラブル(約10万円

合計15万円也!しかも「修理にはまた予約が必要です」とのこと。

私、財布の中もガタガタしてます。


タクシーは機械、でも心もある…かも?

今回の事件を通してわかったことがあります。それは、タクシーも人間と同じで、無理をすると限界がくるということ。異常を感じたら「そのうち直る」ではなく、すぐに診せるべきです。

でも何より――

クラクションが止まらなくなる恐怖、体験した人にしか分からない!

これからも相棒とともに、街を走り続けます。どうか、もう暴れないでね…。


プロフィール
書いた人
はたもん

こんにちは。仙台で個人タクシーを営んでいます。
「少しの間だけ」のつもりでしたが、気づけばこの道一筋のタクシー歴33年です。平凡な私でも33年の間にはいろんなことが起きました。
このブログでは、そんなタクシードライバー目線の仙台をお届けします。
仕事の体験談や趣味の山歩き・スキー・写真撮影についてもゆるっと綴ってまいります。どうぞよろしくお願いします。

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