五重塔と名物三角あぶらあげの魅力を体験
仙台市の西部、青葉区の山間に佇む「定義山(じょうぎさん)」は、地元では親しみを込めて「じょうぎさん」と呼ばれる信仰と癒しの地です。由緒ある西方寺(さいほうじ)を中心に、五重塔、門前町、そして名物の「三角あぶらあげ」で知られるこの場所は、地元の人々だけでなく、全国からの参拝客や観光客に愛されています。今回は、タクシードライバーとして実際に訪れる機会も多い定義山の魅力をたっぷりとご紹介します。
【定義山西方寺の歴史と信仰】
定義山の正式名称は「浄土宗 西方寺(さいほうじ)」。創建は平安時代の終わり、藤原家の流れを汲む武将・平貞能(たいらのさだよし)によって開かれました。彼は源平合戦で敗れた平家一門の供養と、源義経公の冥福を祈るためこの地に移り住み、阿弥陀如来を本尊とする西方寺を建立したのです。
現在の本堂は、昭和初期に再建されたもので、立派な山門と広々とした境内が訪れる人々を迎えてくれます。境内には五重塔や鐘楼、念仏堂などが点在し、静謐な空気の中で心が洗われるような気持ちになります。
【心に残る五重塔と自然美】


定義山のランドマークともいえるのが「五重塔」。朱塗りの美しい塔は1997年に建立された比較的新しい建築ですが、落ち着いた山の景観の中でひときわ目を引く存在です。塔の周辺は自然豊かで、春は桜、秋は紅葉と、四季折々の表情を見せてくれます。
特に紅葉シーズンになると、タクシーの利用も増加し、五重塔と赤や黄に染まった木々のコントラストを求めて多くの観光客が訪れます。
【グルメも忘れずに!名物・三角あぶらあげ】
定義山といえば、「三角あぶらあげ」が名物です。厚さ3cmはある巨大な三角形の油揚げは、外はカリッと、中はふっくらジューシー。七味と醤油でシンプルに食べるのが一番のおすすめです。
この油揚げは門前町にある「定義とうふ店」で販売されており、参拝後のおやつや軽食として地元の人々にも長年親しまれてきました。土日や祝日には行列ができることもある人気商品です。
【アクセスと観光アドバイス】
定義山のグルメといえば、何と言っても名物・三角あぶらあげ。
厚みのある豆腐をカリッと揚げて、醤油と七味でいただくシンプルな一品。
参道の茶屋で焼き立てを頬張れば、心も体もほっこりします。
定義山は仙台駅から車で約1時間、公共交通機関を利用する場合は仙台市営バスの「定義」行きに乗車し、終点で下車します。バスの本数は少ないので、時間に余裕を持った計画が必要です。
おすすめはタクシーを利用しての観光。行き帰りの時間も自由がきき、途中で愛子(あやし)地区のラーメン店や作並温泉の日帰り入浴に立ち寄るのも楽しみのひとつ。タクシードライバーに相談すれば、最適なコースを提案してくれるでしょう。
【アクセス情報】
- 車:仙台市街から約50分(国道48号~定義街道)
- バス:仙台駅前から市営バス「定義」行きで約80分
- 駐車場:無料駐車場あり(観光シーズンは混雑注意)